このページはPR・広告を含みます
ホッパーとコンベヤが連なる、屋外の土壌処理プラント

CONSTRUCTION SOIL RECYCLING REPORT

【比較表】土壌浄化・建設汚泥
リサイクルの主要事業者を並べる。

ゼネコン6社、地盤改良会社、環境専業会社の土壌浄化・発生土再利用技術を、公式サイトの記載に基づく事実項目で整理します。

比較の対象と、技術の分類の考え方

最終更新日:

建設工事で生じる汚染土壌、建設汚泥、そして品質に課題のある建設発生土を再生利用する技術は、ゼネコン、地盤改良会社、環境専業会社が、それぞれ異なる強みで展開しています。本ページは、公式サイトに技術や事業が記載されている代表的な8社を、事業形態、主要技術、自社処理施設、対応地域、公表実績の五つの事実項目で整理した比較表です。事業者の優劣や順位は示しません。

技術の分類としては、大きく四つの系統があります。一つ目は、土を粒径で分けて汚染物質の付着した細粒分を取り除く「洗浄・分級」、二つ目は、鉄粉や薬剤を用いて重金属を固定または除去する「不溶化・抽出」、三つ目は、微生物や酸化剤で汚染物質を分解する「生物・化学処理」、四つ目は、加熱や気化によって揮発性の物質を取り除く「熱処理・気化抽出」です。建設汚泥や発生土については、これらとは別に、固化や流動化によって性状を改善して再利用する「改良・再資源化」の系統があります。

なお、掲載の対象は、公式サイトの技術紹介やニュースリリースに記載があった事業者だけを対象にしています。対象外の事業者が劣るという意味ではありません。自社処理施設の有無、処理能力、許可の種類などは変更されることがあるため、実際に検討する際は各社への問い合わせと公式資料で確認してください。制度面の前提は建設副産物の全体像、固化材メーカーの製品は改良土と固化材市場で整理しています。

【比較表】土壌浄化・建設汚泥リサイクルの主要事業者8社

事業者事業形態主要技術(公式サイトの記載)自社処理施設対応地域公表実績の有無
大林組ゼネコン(総合建設)アールキュービック®土壌洗浄システム、鉄粉洗浄、クロロクリン®シリーズ(微生物による原位置処理)、分級洗浄、不溶化、加熱公式サイト参照公式サイト参照あり(自然由来ヒ素の浄化工法の開発発表 2016年1月など)
鹿島建設ゼネコン(総合建設)M・トロン®(鉄粉と超電導磁石による洗浄、分級洗浄と組み合わせた現地での全量再利用)、油汚染のバイオレメディエーション、低温加熱(ドラムソイル工法)公式サイト参照公式サイト参照あり(技術ページに対象物質と適用方法を掲載)
清水建設ゼネコン(総合建設)土壌洗浄(分級・泡沫分離)、シールド一体型砒素浄化・減容化技術、PFAS汚染土の洗浄(米国での室内試験)、微生物による脱塩素化ベトナムで枯葉剤由来ダイオキシン汚染土の洗浄プラントを建設(ニュースリリース)。国内は公式サイト参照国内および海外(ベトナム、米国での室内試験)あり(砒素浄化で「最大で9割減容化、処理費用を7割削減」と記載)
大成建設ゼネコン(総合建設)土壌浄化・資源循環の技術を公式サイトで紹介(個別の工法名は公式サイト参照)公式サイト参照公式サイト参照あり(公式サイトの技術ページで紹介)
奥村組ゼネコン(総合建設)分級洗浄と鉄粉処理を組み合わせた泥水シールド排泥の砒素汚染土浄化。環境計画で建設汚泥のリサイクルと自社利用を促進公式サイト参照公式サイト参照あり(技術研究所年報で処理方法を公開)
鴻池組ゼネコン(総合建設)溶媒洗浄(水銀など)、機械式土壌洗浄、ジオスチーム法(PCB・ダイオキシン類)、バイオレメディエーション、気化抽出現場に仮設の洗浄設備を設置した事例を公表。常設施設は公式サイト参照公式サイト参照あり(技術とソリューションのページで事例を掲載)
不動テトラ地盤改良・土木(環境ソリューションを含む)流動化処理(LSS)工法、リソイルコンポーザー、リソイルPro工法、ジオラフト工法。建設発生土を地盤改良の材料として再利用公式サイト参照公式サイト参照あり(2025年12月に日本製鉄と共同で鉄鋼スラグ改良材「ジオチェンジャ」の開発を発表)
DOWAエコシステム環境専業(リサイクル・廃棄物処理・土壌浄化)土壌・地下水調査と現地浄化(自社処理施設と特許工法を組み合わせて提案。詳細は公式サイト参照)公式サイト参照国内およびアジアを中心とした海外(国名は公式サイト参照)あり(調査・現地浄化のサービスを公式サイトで紹介)

2026年10月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。

表の注意点を三つ挙げます。第一に、「公式サイト参照」とした項目は、公開資料の範囲で数値や名称の記載がなかったものです。第二に、ゼネコン各社の技術は、多くが自社の工事で適用される工法として公開されており、土壌処理を外部から受託する処理業とは事業形態が異なります。第三に、同じ「洗浄」でも、対象物質、土質、処理量によって適した方式が違うため、技術名が同じでも性能は比較できません。

[PR]

各事業者のプロフィール:公式資料から読み取れる技術と実績

大林組

大林組は、公式サイトの「土壌・水対策」のページで、原位置処理、掘削土壌の処理、汚染拡散防止の三つの区分に分けて技術を紹介しています。掘削土壌の処理では、微生物分解、攪拌曝気、分級洗浄、不溶化、加熱、吸着層、高圧噴射置換が挙げられています。個別の技術としては、掘削せずに微生物の働きで汚染土壌や地下水を無害化するクロロクリン®シリーズ、洗浄に使う水や鉄粉を再利用しながら汚染土を浄化・再資源化するアールキュービック®土壌洗浄システムや鉄粉洗浄が紹介されています。

[PR]

ニュースリリースでは、2013年に開発した泥水シールド向けの鉄粉によるヒ素除去の方法と、2016年1月に発表された、土丹塊(硬質粘土)を対象とした自然由来ヒ素の浄化技術が公表されています。後者は土丹塊を二段階で破砕して洗浄し、ヒ素を専用の鉄粉に吸着させるもので、50,000立方メートル規模の工事で約15%のコスト削減を見込むとされています。いずれも掲載日が古いため、現在の適用条件や最新の実績は、大林組の土壌・水対策のページで確認してください。

鹿島建設

鹿島建設の技術ページでは、重金属汚染、VOC汚染、油汚染のそれぞれについて対策技術を紹介しています。代表的なM・トロン®は、鉄粉と超電導磁石を使う洗浄技術で、分級洗浄では扱いにくかった細粒土の汚染物質を除去し、汚染土を現地で全量再利用することをうたっています。対象物質はヒ素、鉛、カドミウムです。油汚染については、重機で土を切り返して酸素を供給するバイオレメディエーションと、200から300度で加熱して油分を揮発させる低温加熱が掲載されています。

[PR]

同社のページには、鉛、ヒ素などの重金属は分解や無害化が難しく、多くの場合は掘削して処分場へ運ぶ方法が採られるという一般論も示されています。技術の詳細は鹿島建設のM・トロン®のページにあります。建設汚泥の再生に特化した記述は、確認した範囲では見当たりませんでした。

清水建設

清水建設は、土壌環境に関するエンジニアリングのページで、自然由来の重金属を含む土壌への対応、バイオによる浄化、海外の汚染土壌の浄化などを紹介しています。シールド一体型の砒素浄化・減容化技術は、大深度地下のシールド工事で生じる砒素汚染土を、微細粒分、細粒分、粗粒分に分けて処理するもので、「最大で9割減容化、処理費用を7割削減」と記載されています。

海外では、ベトナム政府と枯葉剤由来のダイオキシン汚染土壌の洗浄プラントを建設したことが2018年のニュースリリースで公表されました。2024年7月には、米国のLATAとの共同で、米国テキサス州で行った室内試験で、PFAS汚染土壌と洗浄排水の双方からPFASを99%除去できたと、LATAが公表しています(LATAの発表)。ただし、これらは試験や個別事例であり、国内の一般的な建設発生土の処理とは位置づけが異なります。詳細は清水建設の自然由来汚染土壌への対応のページを参照してください。

大成建設

大成建設は、公式サイト(大成建設の技術ソリューションサイト)の環境分野で、土壌浄化・資源循環に関する技術を紹介しています。個別の工法名や適用条件、実績は更新されることがあるため、本ページでは工法の詳細を転載せず、最新の内容は公式サイトで確認してください。

確認先は大成建設の土壌浄化・資源循環のページです。建設汚泥や建設発生土の再生に関する取り組みも、同ページと関連ページから確認できます。

奥村組

奥村組の技術研究所年報には、泥水シールドの処理プラントに分級洗浄設備と鉄粉処理設備を組み合わせ、ヒ素などの自然由来重金属を含む土砂や汚泥を浄化する方法が掲載されています。まず粗粒分を分級洗浄し、細粒分を再洗浄で取り除き、続いて鉄粉を泥水に撹拌して重金属を吸着させ、磁力選別で鉄粉を回収します。この組み合わせで、重金属を土壌溶出量基準以下まで下げられるとされています。場外処分の費用と最終処分場への負荷の低減が目的です。

同社の環境計画2025では、建設汚泥について発生抑制の提案、リサイクルと自社利用の促進、社員への啓発が実施施策として挙げられています。別の技術資料では、土壌・地下水汚染の浄化に洗浄、バイオ処理、加熱処理などを使うことが紹介されています。技術研究所年報の該当資料は奥村組の技術研究所年報(2017年)で公開されています。

鴻池組

鴻池組の「技術とソリューション」のページでは、掘削した土を礫、砂、細粒分に分け、洗浄剤で汚染物質を取り除く溶媒洗浄が紹介されています。水銀のほか、鉛、砒素、ふっ素、セレンなどにも適用できるとされ、集めた汚染物は脱水ケーキとして固め、法に基づく処理施設で処理します。洗浄した土は、100立方メートルごとに分析を行い、基準に適合すれば埋戻土として再利用されます。

洗浄設備は大型のテントで覆い、周辺の振動、騒音、粉塵をリアルタイムで監視するなど、環境への配慮も記載されています。PCBやダイオキシン類を土壌中の水分を利用して分解するジオスチーム法、酸素や栄養塩を散布して微生物を活性化するバイオレメディエーション、二重管真空抽出による原位置の気化抽出も紹介されています。建設汚泥そのものの処理に関する記載は、確認した範囲にはありませんでした。

不動テトラ

不動テトラは地盤改良を主力とする建設会社で、環境ソリューションも手がけています。建設発生土の再利用では、流動化処理(LSS)工法が、埋戻しや盛土、床下の空隙充填に使う流動性の高い処理土をつくる技術で、あらゆる種類の建設発生土の再資源化が可能と案内されています。リソイルコンポーザーは、自然砂の代わりに建設発生土を中詰め材として使う工法で、リソイルPro工法は発生土を改質せずに使える形を目指して開発されました。

2025年12月には、日本製鉄と共同で、鉄鋼スラグを用いた改良材「ジオチェンジャ」を開発したと発表されています。建設発生土と混合することで、締固め砂杭工法の中詰め材として使える品質に改良するものです。同社の事業売上では地盤改良が大きな割合を占めるとされますが、土壌浄化や建設汚泥に特化した詳細な記載は公式サイトの範囲では確認できませんでした。技術は不動テトラの流動化処理工法のページにあります。

DOWAエコシステム

DOWAエコシステムは、資源リサイクル、廃棄物処理、土壌・地下水調査・現地浄化、環境コンサルティング、環境物流、海外環境を事業区分として公式サイトに掲げる環境専業の会社です。本社は東京都千代田区外神田にあります。土壌浄化の分野では、調査から浄化、モニタリングまでを一貫して行うと説明されています。

公式サイトでは、土壌汚染、地下水汚染、埋設廃棄物への対策を、自社の処理施設や特許工法などを組み合わせて調査結果に基づいて提案すると説明されています。調査は法に基づくものと自主的なものに分けて、目的に応じて実施するとされ、アジアを中心とした海外でも国内と同様のサービスを提供するとしています。処理施設の名称や許可の状況、対応国の詳細は公式サイトに記載がないため、個別に問い合わせて確認する必要があります。施設の最新の許可状況はDOWAエコシステムの土壌浄化事業のページと所管自治体の情報で確認してください。

比較表の使い方:発注者・設計者・受入側の確認観点

汚染土壌や建設汚泥の処理を検討する場合、まず確認するのは土の性状と量、汚染物質の種類と濃度です。洗浄が適する土、不溶化が適する土、搬出して処理施設へ委託すべき土は、土質と汚染の程度によって分かれます。次に、現場内で処理するのか、場外の処理施設へ運ぶのかという選択があります。現場内処理は、搬出量と運搬の負荷を減らせる一方、仮設プラントの設置スペースと周辺環境への配慮が必要です。場外処理は、許可を持つ施設へ委託する形になり、土壌汚染対策法の規定に沿った手続きが求められます。制度の概要は環境省の土壌環境関連ページで確認できます。

ゼネコンの技術は、自社が施工を担当する工事の中で適用される工法として公開されていることが多く、技術単体で発注できるとは限りません。環境専業会社や処理業者は、処理を受託する立場で、施設の許可や処理能力が重要な確認項目になります。地盤改良会社は、建設発生土や汚泥を再利用する改良工法を提案する立場にあり、改良後の品質基準と六価クロム溶出対策が確認項目です。固化材や流動化処理土の詳細は改良土・再生資材と固化材市場に整理しています。

費用や資格に関する整理はコスト・資格・キャリア、搬出先を探すサービスは残土マッチング・受入先検索サービスの比較表にあります。本ページは事業者を推奨するものではなく、特定の事業者への依頼を促すものでもありません。

本サイトは建設副産物・残土処理に関する制度と業界を公開情報から整理したものであり、個別案件の法的判断や処分方法の助言ではありません。盛土規制法・廃棄物処理法等の適用は自治体の運用により異なります。手続きは所管自治体・専門事業者にご確認ください。